「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

1:調査

{138}Ramine Tinati, Markus Luczak-Roesch, et al. (2017)

市民科学ゲームの参加動機・継続動機を調査したもの。 人間のニューロンをマッピングする市民科学ゲーム「Eyewire」のプレイヤーを対象。このゲームの目的はニューロン解析による研究者への貢献である。ポイント・リーダーボード・競争・統計要素・進捗・チ…

{137}irály O, Urbán R, et al. (2015)

精神症状とオンラインゲームの問題行動、またそれらに対するゲームプレイ動機の媒介関係を調査したもの。 18のオンラインゲームサイトにて募集。n=3186。人口統計学的要素、ゲームプレイ時間と選好ゲーム、自己申告の心理的症状を評価する指標の短縮版GSI、M…

{135}Hoffman, B., Nadelson, L. (2010)

ゲームプレイの動機付け、またエンゲージメントを予測する変数はなにかを調査したもの。 米国南東部大規模大学の学部及び修士課程189名(女性75.3% 平均24.4歳)対象。週5時間以上ゲームプレイしていることを条件とした。ゲームに対する習慣や態度を評価する…

{132}遠藤 雅伸, 三上 浩司, (2020)

継続したゲームプレイからの離脱要因を調査したもの。 離脱したゲームタイトルとその離脱理由を自由回答、離脱理由文を解析し頻出ワードをタグ付け、有効回答数1553件。抽出した64要素を記載した質問票を作成、その理由により離脱経験があるものにチェックを…

{127}西村 多久磨, 櫻井 茂男, (2013)

動機付けスタイルと学業成績・学業コンピテンス等の関係を調査したもの。 公立中学校2校のn=442(男性214名)対象。学習動機付け、学業コンピテンス、メタ認知方略、学業不安、無気力、学業ストレス経験、学業成績(期末テスト5教科)を尋ねた。 結果。まずOITの…

{125}岡田 涼, (2007)

CET観点からの内発的動機付けのまとめと、教員の自律性支援と生徒の動機付けスタイルの交互作用について調査したもの。 内発的動機付けに関する初期の研究は、これを促進-抑制する要因の探求にあった。 有名なのは報酬の効力、Deci (1971)をきっかけに議論が…

{124}桜井 茂男 (2003)

親からの自律性援助の知覚と子の因果志向性の関係について調査したもの。 大学生229名(男性93名)対象。親からの自律性援助・因果志向性・TK式親子関係調査の「干渉」に属する項目を質問。 結果。父親からの自律性援助と自律志向は正の相関(.17 p<.05)、動機…

{123}新垣 紀子. 都築 幸恵., (2016)

大学生の動機付けスタイルと生活状況・職業価値観などの関係を調査したもの。 Vansteenkiste, et al., (2009) で問われた動機付けプロフィールを日本の大学生に適応、実態を調査したもの。概念としては動機付けスタイル[77]とほぼ同じ。 都内私立大学n=212(…

{121}西村 多久磨, 河村 茂雄, 櫻井 茂男 (2011)

動機付けのメタ認知方略を介した学業成績への影響を調査したもの。 まずSRQ(Self-Regulation Questionnaire; Ryan and Connell 1989)を軸とした自己決定理論に基づく学習動機尺度、自律的学習動機尺度を新たに作成。内的調整・同一視的調整・取入れ的調整・…

{117}Schoenau-Fog, H. (2011)

プレイヤーのエンゲージメントがなにで構成されているかを探索する調査。 エンゲージメントとは特定の事象に関与していたい、影響を与えていたいとする継続的動機の傾向を指す。没入やフローに到達するための前提条件として定義されることもある。このエンゲ…

{116}Oliver, M. B., et al. (2016)

ゲームが快楽以外のものをもたらすかを調査したもの。 具体的にいうなら、「Heavy Rain」や「Detroit: Become Human」のプレイ体験が何をもたらすかを明記した研究である。これらはCET定義の心理的欲求の充足やフロー状態のような単純な楽しさというよりかは…

{115}Andrew K. Przybylski, et al. (2009)

日々の欲求充足の情熱を介したゲームプレイへの影響を調査したもの。 情熱の二元論的モデル(Vallerand et al. 2008)を採用。完全な内面化がもたらす調和的な情熱と、不完全な内面化がもたらす強迫的な情熱が、ゲームプレイの楽しさにどう作用するのか。また…

{113}Bettencourt, B. A., & Sheldon, K. (2001)

集団において関係性と自律性の欲求が同時に満たされるかを確かめた調査・実験。 むかしむかし、関係性と自律性は互いに阻害し合う関係だと思われていた。集団は意思決定を妥協させる存在であり、意思決定の強調は集団との別離を引き起こすと考えられていた。…

{17}Nannan Xi, Juho Hamari. (2019)

ゲーミフィケーションが本当に心理的欲求を充足しているかを調査したもの。 ゲーミフィケーションは心理的欲求の充足を介して好影響をもたらす、という暗黙の前提みたいなものがあるが、この前提の真偽を確かめた研究は少ない。大体の研究はゲーミフィケーシ…

{112}Juho Hamari, et al. (2017)

ソーシャルゲーム(Free-to-play game)の有料コンテンツの購買理由について調査したもの。 オンライン調査。n=519、94%が40歳以下、大半が20代。特定のゲーム媒体ではなく、とりあえず無料ゲームに課金したことがある人をサンプルとして扱い、その動機と課金…

{111}Vero Vanden Abeele, et al. (2020)

ゲームユーザーを対象とした研究(GUR)のための新しい指標、Player Experience Inventory (PXI)の開発を行った研究。 プレイヤーのフィードバックを定量化するための尺度には、主に心理的側面と行動的側面の2つがある。前者は心理的欲求の充足を測ることでプ…

{106}Przybylski, A. K., Ryan, R. M., & Rigby, C. S. (2009).

暴力的描写が短期的な楽しさに関わっているかを検証したもの。 ESRBレーティングを参照に暴力的描写をランク付け。自分の好きなゲームとそれに対する体験を質問票で答えてもらったStudy 1。暴力的なゲームを遊んだ時の楽しさとか攻撃性とかを計測したStudy 2…

{97}Nick Yee, et al. (2012)

ゲームの動機付けの3因子モデルの追加検証。 Yee (2007)の妥当性確保のための検証。 指標は3因子を直接抽出しているわけではなく、下位10項目を評価しているため、これの改善として12項目(1因子につき4項目)による評価を行う。→パイロット調査を経たのちに米…

{96}Daniel Johnson and John Gardner. (2010)

ゲームジャンルの選好・心理的欲求(PENS)・性格特性(big five)の関係を調査したもの。 235名(男性82%,平均22歳)対象、71%がビデオゲーム学科所属の学生。オンライン調査。サンプリングは雪だるま式。現在の好きなゲーム(シューティング・スポーツシミュレ…

{95}Rachel Kowert et al. (2015)

孤独感とか自尊心の低下などがオンラインゲームへの関与の原因なのか結果なのかを調査したもの。 ドイツのゲームプレイヤーよりサンプル抽出、サンプルを思春期(14-18)・青年期(19-39)・成人期(40~)に区分。電話調査、1年間隔で2回行われた。オンラインゲー…

{94}Froiland, J.M. and Worrell, F.C. (2016)

高校生における内発的動機付けと学業成績の関係を色んな変数加味したうえで調べてみた。 サンフランシスコ・ベイエリアの高校生n=1575(fe 53%)対象。調査。 変数。内発的動機付け、エンゲージメント、学習目標(熟達志向)、GPA2012,2010、性別、親の学歴、年…

{92}藤井 恭子, (2001)

青年期の友人関係における山アラシ・ジレンマを抽出する。 山アラシ・ジレンマとは二者関係における心理的距離に対する葛藤を指す。傷つくのが嫌だから、近づきすぎたくない。さみしい思いは嫌だから、離れすぎたくない。居心地のいい距離を測るために生じる…

{84}原田 勇希, 坂本 一真, 鈴木 誠, (2017)

中学生がなぜ、そしていつから理科が嫌いになるかを、期待×価値理論の観点から。 質問票による調査を1つの中学校n=630に試行。横断的分析。好き嫌いと、統制感と興味価値を測る。 結果。基本的に学年が上がるごとに理科が嫌いになる傾向が見られた。特に女子…

{85}原田 勇希, 草場 実, (2021)

理科の観察・実験に対する動機付けを期待-価値理論(期待×価値理論)の観点から。 中学生n=267を対象に調査法。自己効力感(期待)・興味,ポジティブ感情,思考活性志向(価値)・学習方略を測定。 結果として、期待×価値の乗算的効果が確認された。自己効力感と思…

{81}三和 秀平, 外山 美樹 (2021)

教員の動機付けと子供の動機付けの関連、および自律性支援の媒介効果を検討する。 結果として、教科指導学習動機(三和・外山 2015)のうちの子ども志向は、教師が認知する自律性支援と正の相関を示し、子の認知する自律性支援を媒介してこの内的調整に正の相…

{77}岡田 涼, 中谷 素之 (2006)

動機付けスタイルの特徴を記述、またスタイルによる統制的刺激の効果の差を実験的に求める。 動機付けスタイル(Hayamizu 1997)→複数の動機付けから個人の動機付けの在り方を記述すること。 研究1、調査。4つの動機付けスタイルが顕在。同一化的・内的・取入…

{72}Terje Slåtten, Barbara Rebecca Mutonyi & Gudbrand Lien. (2020)

医療機関において、上司のリーダーシップがPsyCapの充足に繋がり、それが創造力の確保をもたらし、結果的に日常的なアイデアの表出に繋がっていることが示唆。 PsyCapは心理的資源、自己肯定感・効力感・レジリエンス・楽観主義からなる。これらの心理的資源…

{63}Patall, E. A., et al. (2018)

教員による日常的な自律性支援は日ごとの自律性動機付けとエンゲージメントの増加を予測し、同じく教員による日常的な自律性阻害は日ごとの統制的動機付けと不快感の増加を予測した。また興味のない活動の押し付けは日々の自律性動機付けと関与の減少を予測…

{61}Ghuman, D. & Griffiths, M.D. (2012)

RPG,FPS,RTSを好む人たちの人口統計学的要素・対人関係・動機(Yee 2006の社会・達成・没入の3動機)の調査。 RPGは比較的高年齢の人がプレイ。 RTSとFPSは比較的男性に好まれ、RPGは比較的女性に好まれる。 RPGプレイヤーは比較的長時間プレイ(週24時間)する…

{59}Stéphanie Laconi, Sophie Pirès, and Henri Chabrol. (2017)

逃避・対処・空想動機はIGDスコアを予測。 週平均プレイ時間はIGDを有意に予測しない。 IGDスコアとアクション/アドベンチャーゲーム選好がリンク。 IGDの人は精神医学的苦痛をより多く体験していたが、動機・IGD・精神医学的苦痛の因果関係やパスの詳細は不…