「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{137}irály O, Urbán R, et al. (2015)

精神症状とオンラインゲームの問題行動、またそれらに対するゲームプレイ動機の媒介関係を調査したもの。

 

18のオンラインゲームサイトにて募集。n=3186。人口統計学的要素、ゲームプレイ時間と選好ゲーム、自己申告の心理的症状を評価する指標の短縮版GSI、MOGQ{57}、POGQの質問項目を尋ねた。

結果。サンプルの平均年齢は21.1歳(SD= 5.9: 範囲14-54歳: 男性89.74%)。1466人がMMORPGを、872人がMOFPSを選好していた。MMORPGプレイヤーは空想・逃避・レクリエーション・POG・GSIの値が、MOFPSプレイヤーは競争・スキル開発・対処の値が有意に高かった。

全体的なデータを参照したモデルより、精神症状は逃避・対処・空想と有意に強い関連がある。有意なパスは精神症状→逃避→問題行動と精神症状→競争→問題行動の2つだった。全効果における媒介効果の割合は35%を占めている。MMORPGとMOFPSの2者間でこの傾向は同様に見られた。また、女性は精神症状→逃避→問題行動のパスが特異的に強く表れた。

これらの結果はI-PACEモデル{60}通りの結果であり、逃避・対処・空想のプレイ動機がIGDスコアと関連する報告{59}、欲求充足の低さが強迫的なゲームプレイに繋がるとした報告{115}と一致する。ただし、逃避動機を理由にプレイする人は少数派である{57}{114}ことは留意するべきである。

 

参考文献

irály O, Urbán R, Griffiths MD, Ágoston C, Nagygyörgy K, Kökönyei G, Demetrovics Z The Mediating Effect of Gaming Motivation Between Psychiatric Symptoms and Problematic Online Gaming: An Online Survey J Med Internet Res 2015;17(4):e88 doi: 10.2196/jmir.3515