「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

有能感(自己効力感)

{196}Dupont S, et al. 2014

社会的環境から欲求充足を媒介しエンゲージメントまでの経路を明らかにするために調査したもの。 フランス語話者ベルギー大学所属大学生331名(女性69% 平均24歳)対象。自律支援・構造(特に有能感充足のための教育学的システム)・教育的介護行動等はSkinner …

{143}Deniz Eseryel, Victor Law, et al. (2014)

ゲームベースラーニングと生徒の関与、問題解決能力との関連を実験したもの。要検証。暫定的に失敗例として配置する。 仮説群。1:ゲームプレイ中の興味の程度について、複雑な問題解決シナリオは生徒の関与に正の効果をもたらす。2:有能感充足が、同じく効果…

{118}Przybylski, A. K., et al. (2014)

ゲームプレイによる短期的攻撃性の発現と心理的欲求の関係について実験・調査したもの。 「はいクソー。二度とやらんわこんなクソゲー」を真面目に取り扱った研究。正確に言えば、今まで暴力的描写により起こされていたとする攻撃性を、ゲームプレイによる欲…

{105}Ryan, R.M., Rigby, C.S. & Przybylski, A. (2006)

ゲームプレイによる楽しさを自己決定理論の言葉で説明できるかを検証した実験。 ゲームする前とした後で質問紙記入してもらって、心理的欲求充足が楽しさを媒介するかを確かめたStudy 1。評価が異なるゲームをプレイしてその楽しさの差分が心理的欲求で説明…

{102}Immersyve Inc. (2007)

プレイヤーの欲求充足の知覚(The Player Experience of Need Satisfaction:PENS)の概論。 プレイヤーは"何故"楽しさを知覚するのかに焦点を当て、その理由をSDT[76]の概念を用いて言語化したもの。基本的に、楽しさの表れは心理的欲求の充足からなるものであ…

{101}Klimmt, C., & Hartmann, T. (2006)

ゲームプレイの動機獲得のために有能感と自己効力感がいかに大事かを説く理論的考察。 ゲームは他のメディアコンテンツと比べてかなりコストがかかる娯楽である。意思決定の機会は比にならないし、プレイ環境を整えるのも一苦労である。また操作の記憶や世界…

{100}Reinecke Leonard, et al. (2012)

心理的欲求の充足/阻害がゲームプレイの選択にどうかかわっているか、欲求阻害の回復行為が現れるかを実験で確かめたもの。 米国中西部の大学生111名(男性28名 平均19.96歳)対象。フライトシミュレーターを使用。あらゆる操作が求められる高条件・速度や舵の…

{91}二宮 理佳, ほか. (2012)

日本語の多読授業が対象の情動面にもたらす影響。 多読とは文字通り多く読むこと。「辞書は引かない」「わからないところは飛ばす」「進まなくなったらやめる」ことを三原則に、比較的やさしいものから読み進め、細かいことは気にせず文脈で内容を把握しなが…

{99}Christian Burgers, et al. (2015)

教育用ゲームの動機付けにフィードバックがどう絡んでいるのか、またその構成要素の詳細を実験で確かめたもの。 脳トレライクなゲームを用いる。2(フィードバックの正/負)×3(記述・比較・評価フィードバック)の6条件に割り振り。157名(女性109名 平均32.07歳…

{88}桜井 茂男, (1984)

CET(Deci 1975)で問われた報酬-欲求-充足-動機付けの関係を掘り下げたもの。 SEMモデル(Self-Evaluative-Motivatiom-Model)について記述。 自律性と有能感はそれぞれ独立した要因であり、報酬の構成要素によりどちらがどれぐらい充足されるかが異なる。 実験…

{85}原田 勇希, 草場 実, (2021)

理科の観察・実験に対する動機付けを期待-価値理論(期待×価値理論)の観点から。 中学生n=267を対象に調査法。自己効力感(期待)・興味,ポジティブ感情,思考活性志向(価値)・学習方略を測定。 結果として、期待×価値の乗算的効果が確認された。自己効力感と思…

{80}石田 潤 (2010)

フロー理論(Csikszentmihalyi, 1975; 1990; 2003)の概論。 「フロー」とは没入状態、すべての意識が目の前の活動に向き、その遂行をまるで流れのように知覚する現象のことを指す。 フロー理論とは内発的動機付けを説明するための理論の1つであり、「楽しさ」…

{71}二宮 理佳.(2022)

学習者視点による自律性獲得の推移を具体的に捉えたい質的研究。 大学留学生12名を対象。課外活動にて課題を課す。目的は日本語リスニング力の向上、大学の講義を聞き取れるようになるのが最終目標とした。週1回に内省提出を課した。大枠と方向性を共有し、…

{62}Jang, H., Reeve, J., & Deci, E. L. (2010)

教員が提供する自律支援と構造[Structure]は正の共分散(36%共有)の関係にあり、両方とも生徒の授業に対するエンゲージメントと正の相関を持っている。なお、エンゲージメントのクラス平均と構造には有意な相関がみられたが、個人のエンゲージメントと構造に…