「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

2:分類不能・広範な動機付け

{205}Daniel Johnson et al. 2021

ビデオゲームにおける援助行為と欲求・情熱の媒介効果について調査したもの。 SDTと二重主義モデル(Dualistic Model of Passion)。後者は調和的/脅迫的な情熱について論じたもの。差分は他の活動に対する当たりであり、調和的は他の事象とも折り合いをつけて…

{204}Ilana Dubovi 2022

感情の客観的表出・瞬き回数とエンゲージメントの関係を探ったもの。 イスラエルの看護学部新入生65名(女性44名 平均23歳)対象、最終サンプル61名。 事前-事後比較。コンピュータによるアイトラッキングと表情の動作確認、その後VRベースのシミュレーション…

{203}Halverson, Lisa R., and Charles R. Graham. 2019

ブレンデットラーニングにおけるエンゲージメントの定義をレビューも踏まえ提案したもの。 認知的・感情的関与に絞る。この2項目は他のエンゲージメントを対象とした研究にて頻繁に取り上げられ、また学習成果に影響を与えることが主な理由である。 以上は認…

{202}Shurui Bai, et al. 2020

ゲーミフィケーションが学業成績に与える影響をレビューしたもの。 ブール演算子。検索式は以下。:gamif* AND (education OR class OR course OR learning OR performance OR behavior OR outcomes OR evaluation OR impacts OR effects OR influence).PRISM…

{200}Khe Foon Hew, et al. 2020

Massive open online courses(MOOCs)の質を顧客満足度から計る試み。 MOOCsはオープンなオンラインコースのこと。今までMOOCsは修了者の成績や離脱率からその質が図られてきたが、この計り方は「好成績さえ記録すれば」というハイステークステストと同じ思想…

{199}Ferrer J, et al. 2022

オンライン学習環境における関与と態度の関係について調査したもの。 オーストラリアの高等教育機関対象、有効回答574件(女性59.4%)。 Vallerand et al. (1992)の学習意欲尺度、知るための内発的動機・達成するための内発的動機・外発的動機・非動機の4つ。…

{198}Kalogiannakis M, et al. 2021

科学教育におけるゲーミフィケーション研究の系統的文献レビュー。 いつものPRISMA。Science Direct、Eric、Wiley Online Library、SpringerLink、Sage Journals、Taylor & Francis Online、JSTORを利用。 検索キーワードは以下。 (“gamification” OR “gamif…

{24}Van Rooij, A.J., Daneels, R., Liu, S. et al. (2017)

子供のゲームプレイ継続・離脱理由を調査したもの。 Ladder interview法を採用、これは「なぜそうなったのですか」と一問一答を繰り返すことで潜在的な動機を探る方法である。インタビューは2波にわたって行われた。1回目は普通にインタビューを行った。2回…

{23}Schrader, C. (2023).

シリアスゲームとゲームベースラーニングへの所感。各ゲーム要素に関する見解も述べている。 ゲームの動機付け・認知・感情に与える影響は一様ではないことが、これまでの研究が示唆している。Mayer(2020)によれば、ゲームは学習者の動機付けを促進する可能…

{22}Landers, R.N., Bauer, K.N., Callan, R.C., Armstrong, M.B. (2015).

ゲーミフィケーションの理論的基盤として引用される5つの理論の解説と、所感。 5つの理論とは、ゲーミフィケーション指導に関する理論・条件付け・期待値理論・目標設定理論・自己決定理論の5つ。 どの理論も今後の議題が収束している。ゲーミフィケーション…

{169}Ricardo Rosas, et al. (2003)

ゲームボーイを用いた遊び主体のゲームベースラーニングを用いた実験。 命令ツールとしてみた場合、ゲームはかなり高機能であること、それを用いた学習に関する仮説が述べられている。 用いたゲームハードは任天堂のゲームボーイと同じ。ソフト内容は研究チ…

{29}Granic, I., Lobel, A., & Engels, R. C. M. E. (2014)

ゲームの利点を認知・動機づけ・感情・社会の4つの側面からレビューしたもの。 ゲームの動機付け・認知的利点を特に調べている私でさえ、教育目的で利用することに多少の違和感というか、嘲笑いを知覚する。どこか、たかが娯楽と思えてしまう。あんなのただ…

{165}Juho Hamari, Jonna Koivisto. (2015)

ゲーミフィケーションの使用動機と継続動機について調査したもの。 仮説群。図1に記載。使いやすさなどの認知的要因、楽しさなどの感情的要因、コネクションなど社会的要因が、それぞれ使用態度と使用意図に関係しているとした。 手続き。運動をゲーム化した…

{154}Greenberg, B. S., Sherry, J., Lachlan, K., Lucas, K., & Holmstrom, A. (2010).

ゲームプレイ時間や動機づけと人口統計学的要素との関連を調査したもの。 2003年1月~6月。米国の公立学校6年生141人(男性70名)、8年生227名(102)、11年生324名(150)、大学生550名(229)対象。 好きなゲームジャンル(Lucas & Sherry 2004)。戦略・ファンタジ…

{151}Oswald, C. A., Prorock, C., & Murphy, S. M. (2014).

手続き。小規模な大学からのサンプル、オンライン募集に受け付けたサンプル、合計173名(男性101名)の18歳以上かつゲームプレイを行なっている人を対象。 自由形式の質問に対する回答、「直近で、ビデオゲームを30分以上プレイしたときの経験を思い出してくだ…

{146}Xu, Z., Turel, O., & Yuan, Y. (2012).

オンラインゲーム中毒の原因とその対処方法を調査したもの。 仮説群。Yee(2006)が掲げる動機の強さまたは現実逃避の必要性がオンラインゲームのプレイまたはオンラインゲーム依存症を予測するとした。またプレイ時間が依存症に関わってるとも推測。ゲーム以…

{144}Hamari, J., & Tuunanen, J. (2014).

ゲーマーのプレイヤータイプについての体系的なレビュー。 プレイヤータイプの分別は、カジュアル層とガチ層の区別についての議論から始まる。より深く知り、より長く接し、より多く言葉を交わした人がガチと言えるなら、その基準は? 『ガチ』の基準は研究…

{136}Juan C. Burguillo, (2010)

競争に基づく学習による生徒の学習パフォーマンスの向上について実験したもの。 大学の電気通信工学部学部生が通学するプログラミング授業にて過去10年間実施、うち競争に基づく学習は5年間適応される。学生を2人組のグループに分け、コース終了まで継続し、…

{132}遠藤 雅伸, 三上 浩司, (2020)

継続したゲームプレイからの離脱要因を調査したもの。 離脱したゲームタイトルとその離脱理由を自由回答、離脱理由文を解析し頻出ワードをタグ付け、有効回答数1553件。抽出した64要素を記載した質問票を作成、その理由により離脱経験があるものにチェックを…

{1}Sandra Tobon., et al. (2020)

アプリ課金や購買に関するゲーミフィケーション研究の体系的なレビュー。 PRISMA法。2010~2018年に発表された論文が対象。検索ボックスに“TS = (GAMIF* AND MARKETING) OR TS = (GAMIF* AND “MOBILE MARKETING”) OR TS = (GAMIF* AND “DIGITAL MARKETING”) O…

{117}Schoenau-Fog, H. (2011)

プレイヤーのエンゲージメントがなにで構成されているかを探索する調査。 エンゲージメントとは特定の事象に関与していたい、影響を与えていたいとする継続的動機の傾向を指す。没入やフローに到達するための前提条件として定義されることもある。このエンゲ…

{111}Vero Vanden Abeele, et al. (2020)

ゲームユーザーを対象とした研究(GUR)のための新しい指標、Player Experience Inventory (PXI)の開発を行った研究。 プレイヤーのフィードバックを定量化するための尺度には、主に心理的側面と行動的側面の2つがある。前者は心理的欲求の充足を測ることでプ…

{103}Jeanine Krath, et al. (2021)

ゲーミフィケーション研究にどのような理論体系が用いられてきたかを探るためのメタアナリシス。 こういうシステマティックレビューに書かれている[検索欄にぶち込んだ言葉]は普段論文調べる時にめっちゃ役に立つのでコピペ。 {“Gamification” OR “Serious G…

{83}島田 英昭, 三和 秀平, (2020)

オンライン学習における動機付けを3つの理論から説いたもの。 動機付け論初級者にちょうどいい文章。報酬・期待・自律の観点から説いている。 報酬も有効な動機付けではなるが、外発的動機付けに属し、効力は短期的である。それを理解した上で、段階的な目標…

{78}鹿毛 雅治 (2017)

ここ10年の日本の動機付け研究の傾向をレビューしたもの。 数が多いため、鹿毛(2013)の四要因三水準モデル(動機付けを3つのレベルにおいて展開し、4つの要因の相互作用により創発されるものとして扱う)を参考に分類した。 日本の動機付け研究の傾向は、国際…

{39}Jan Hense PhD & Heinz Mandl PhD. 2014

本論文は、デジタルゲームにおける学習を学習理論・感情理論・動機付け理論の3つの理論的観点から分析。それをもとに、ゲームベースラーニング(GBL)の品質基準として理論的な裏付けを行ったリストを作成している。 1:遊びの要素をおろそかにせず、ゲームの学…