「ゲーム心理学」知見保管庫

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{124}桜井 茂男 (2003)

親からの自律性援助の知覚と子の因果志向性の関係について調査したもの。

 

大学生229名(男性93名)対象。親からの自律性援助・因果志向性・TK式親子関係調査の「干渉」に属する項目を質問。

結果。父親からの自律性援助と自律志向は正の相関(.17 p<.05)、動機付け喪失志向と負の相関(-.18 p<.01)。母親からの自律性援助と自律志向は正の相関(.15 p<.05)、動機付け喪失志向と負の相関(-.18 p<.01)。また自律性援助の得点と「干渉」の得点は父親(-.26 p<.01)母親(-.48 p<.01)ともに有意な負の相関。

以上より、親から充分に自律性援助を受けていると知覚したとき子は自律志向を持ちやすく、そうでないときや干渉が多いときは動機付け喪失志向を持ちやすいことが示唆された。被統制的志向は援助の知覚と有意な関係を持たなかったが、恐らくOITで細分化されるべき特性が一緒くたにされていることから生じているものと推測。証拠として、今回の分析では自立志向と被統制的志向に有意な正の相関(.39 p<.01)がみられた。

 

参考文献

桜井 茂男, <原著>子どもの動機づけスタイルと親からの自律性援助との関係    筑波大学発達臨床心理学研究, 筑波大学発達臨床心理相談室, 2003-12-01, 15, 25-30, https://cir.nii.ac.jp/crid/1050282677517792512