「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

3:ゲーム

{189}April Tyack, Elisa D. Mekler, 2020

HCI研究におけるSDT引用の実態をレビューしたもの。 HCI Human Conputer Interaction。この領域の研究目的の1つに、プレイヤーとコンピューターの相互作用を構成するものを理解することがあり、より魅力的な体験の提供、またエンターテインメント以外の関与…

{173}Billieux, Linden, et al. 2013

MMORPGのプレイ動機と実際の行動についての縦断的分析。 18歳以上のフランス語圏World of Warcraftプレイヤー対象、最終的なサンプルは690名、大多数(87.10%)が男性。アンケート実施期間は2010年6月~2010年12月7日。縦断的データ収集は2011年2月14日~20日…

{172}Yee 2006

自己決定理論を基盤としたプレイヤーの動機の抽出。達成・没入・社会の3動機はここから。 Bartle(2004)のタイプと質問票をもとに、プレイヤーの動機に関する40の質問票を作成、リッカート尺度5段階。EverQuest, Dark Age of Camelot, Ultima Online, Star Wa…

{35}Dindar & Akbulut 2014

MMORPGのトルコプレイヤーの動機傾向、Yee(2007)の追試的機能も持つ。 トルコのMMORPG2社に協力依頼、プレイヤーである307名(女性2.1% 平均19.36歳)が最終サンプルとなった。回答期間は2週間、自己申告式。 尺度。Yee(2007)の動機付け尺度、トルコ語翻訳し…

{27}Azadvar, A., Dalqvist, E. (2020)

ゲームプレイとその動機付けの年齢差について調査したもの。 RPGゲーム「The Division 2」のうち、過去2週間に1時間以上プレイしたプレイヤーを対象。青年期(n=1664 平均19.51)、成人期(n=4297 Mean= 30.12)、壮年期(n=1856 Mean= 44.67)、高齢期(n=303 Mean…

{25}Hong, H.J., Wilkinson, G. & Rocha, C.M. (2023)

勧告のeSportsプレイヤーを対象とした、心理的欲求充足・内発的動機付け・燃え尽き症候群の関係を調査したもの。 余暇活動としてeSportsに勤しむ韓国人サンプルn=608(男性43.3% 平均23.1歳)対象。プレイしているゲームはPUBGが16.3%、LoLが13.5%。サンプ…

{24}Van Rooij, A.J., Daneels, R., Liu, S. et al. (2017)

子供のゲームプレイ継続・離脱理由を調査したもの。 Ladder interview法を採用、これは「なぜそうなったのですか」と一問一答を繰り返すことで潜在的な動機を探る方法である。インタビューは2波にわたって行われた。1回目は普通にインタビューを行った。2回…

{19}Anesa Hosein.(2019)

女子におけるSTEM学位取得状況とゲームプレイの傾向の関係を探った調査。 2次データアプローチ、すでに集計された統計情報を用い仮説を検証する方法を用いる。英国経済社会研究評議会ESRCが資金提供するプロジェクトの1年間の横断的調査と、13~19歳の青少年…

{14}Isabel Buil, Sara Catalán, Eva Martínez. (2019)

ビジネスシミュレーションゲームのSDT的効力を調査したもの。 スペインの大学学部生2学年n=360対象。このコースではGestionet S. L. が開発したシミュレーションゲーム(https://simuladoresempresariales.com/simuladores/SimGestion.html)が用いられており…

{29}Granic, I., Lobel, A., & Engels, R. C. M. E. (2014)

ゲームの利点を認知・動機づけ・感情・社会の4つの側面からレビューしたもの。 ゲームの動機付け・認知的利点を特に調べている私でさえ、教育目的で利用することに多少の違和感というか、嘲笑いを知覚する。どこか、たかが娯楽と思えてしまう。あんなのただ…

{163}Sanne L. Nijhof, Christiaan H. et al. (2018)

遊びと子供の発達、疾患を患い遊ぶことができなくなった子供への対処をレビューしたもの。 遊びの定義は学者の間でも揺らいでいるが、自発的で・一定量のルールがあり・限定された空間にて・喜びの感情が伴う・目的的行為、という認識は大体一致している。 …

{162}Gustavo F. Tondello, Rina R. et al. (2016)

プレイヤータイプと性格特性の関係性を調査したもの。 プレイヤータイプはHexadモデルを採用。player, Free Spirit, Achiever, Disruptor, Phillanthropist, socialiserの6タイプ。 Phillanthropistは目的意識に突き動かされ、利他的であり、見返りをもとま…

{159}Johannes Niklas, Vuorre Matti and Przybylski Andrew K. (2021)

客観的なプレイ時間と主観的幸福の関係を調査したもの。 Plants vs. Zombies: Battle for Neighborvilleプレイヤー518人(男性404人)とAnimal Crossing: New Horizons(あつ森)プレイヤー6011人(男性3124人)のデータを有効回答として使用。オンラインアンケー…

{156}Daphne Bavelier, C. Shawn Green. (2019)

特にアクションゲームのプレイに関する神経科学的解釈。 明るくないのでざっくりとした所感を。 全体的に、ゲームプレイに対する神経科学的アプローチを行った研究はまだ蓄積が少ない。数少ない研究は主に報酬系に対する影響と選択的注意の強化を取り上げて…

{155}Lucas, K., & Sherry, J. L. (2004)

ゲームの人口層における男女差をコミュニケーションの理論にて説明を試みた調査。 大学生593名(平均19.71歳 女性313人)を対象。好きなゲームジャンル、動機づけ(Uses and Gratification instrument)、週平均プレイ時間を回答。ゲームジャンルと動機づけの構…

{154}Greenberg, B. S., Sherry, J., Lachlan, K., Lucas, K., & Holmstrom, A. (2010).

ゲームプレイ時間や動機づけと人口統計学的要素との関連を調査したもの。 2003年1月~6月。米国の公立学校6年生141人(男性70名)、8年生227名(102)、11年生324名(150)、大学生550名(229)対象。 好きなゲームジャンル(Lucas & Sherry 2004)。戦略・ファンタジ…

{153}Ferguson, C. J., Rueda, S. M., Cruz, A. M., Ferguson, D. E., Fritz, S., & Smith, S. M. (2008).

暴力的描写による暴露が攻撃性を引き起こすのかをきちんと確かめた実験と調査。 人間は暴力的描写に耐性がなく暴露すればみんな攻撃性が誘発されるGAMモデルvsもともと攻撃性が誘発しやすい土台があって暴力的描写とかそんなん関係なく暴力的な人はそうなだ…

{151}Oswald, C. A., Prorock, C., & Murphy, S. M. (2014).

手続き。小規模な大学からのサンプル、オンライン募集に受け付けたサンプル、合計173名(男性101名)の18歳以上かつゲームプレイを行なっている人を対象。 自由形式の質問に対する回答、「直近で、ビデオゲームを30分以上プレイしたときの経験を思い出してくだ…

{150}Ryan Rogers. (2017)

ゲームの楽しさと心理的欲求の関係を図りたかったのにゲームを用いなかったせいでなんかよくわかんないことになった実験。 仮説群。1:フィードバック重視のゲームは有能感充足を正に予測。2:同じく、認知的負荷の感情を正に予測。3:自由度が高いゲームは自律…

{146}Xu, Z., Turel, O., & Yuan, Y. (2012).

オンラインゲーム中毒の原因とその対処方法を調査したもの。 仮説群。Yee(2006)が掲げる動機の強さまたは現実逃避の必要性がオンラインゲームのプレイまたはオンラインゲーム依存症を予測するとした。またプレイ時間が依存症に関わってるとも推測。ゲーム以…

{144}Hamari, J., & Tuunanen, J. (2014).

ゲーマーのプレイヤータイプについての体系的なレビュー。 プレイヤータイプの分別は、カジュアル層とガチ層の区別についての議論から始まる。より深く知り、より長く接し、より多く言葉を交わした人がガチと言えるなら、その基準は? 『ガチ』の基準は研究…

{142}Marc-André K. Lafrenière, et al. (2012)

SDTのOITを基準としたゲームプレイ動機尺度GAMSの作成。 オンライン調査、プレイヤー276名(男性193名 平均26.15歳 SD=8.26)。参加者は25以上の異なるゲームをプレイし、平均週12.38時間ゲームに従事した。 備考。自己申告制であること・サンプル数の少なさ・…

{141}Jansz, J., Avis, C., & Vosmeer, M. (2010)

Sims2のプレイ動機・プレイヤーの性差に焦点を当て調査したもの。 イントロにて社会的役割理論を背景にゲームプレイヤーの性差の偏りについて喋っている。ゲームがステレオタイプな男性観によりすぎている等々。ただプレイヤーの性差については他でも語られ…

{137}irály O, Urbán R, et al. (2015)

精神症状とオンラインゲームの問題行動、またそれらに対するゲームプレイ動機の媒介関係を調査したもの。 18のオンラインゲームサイトにて募集。n=3186。人口統計学的要素、ゲームプレイ時間と選好ゲーム、自己申告の心理的症状を評価する指標の短縮版GSI、M…

{135}Hoffman, B., Nadelson, L. (2010)

ゲームプレイの動機付け、またエンゲージメントを予測する変数はなにかを調査したもの。 米国南東部大規模大学の学部及び修士課程189名(女性75.3% 平均24.4歳)対象。週5時間以上ゲームプレイしていることを条件とした。ゲームに対する習慣や態度を評価する…

{134}中谷 智司 and 矢野 米雄. (1993)

PRGにおけるやる気の持続を促す要因の抽出を目的としたおしゃべり。 理論的背景がないため此方で適宜追加する。 RPGはシナリオ部・システム部・グラフィックス部・サウンド部に分類できるとし話を進める。 シナリオはメインシナリオ・サブシナリオからなり、…

{133}星野 佑輔, 高島 健太郎, 西本 一志. (2019)

つまらないタスクの前にビデオゲームを遊ぶことで自己効力感が高まり、つまらないタスクへのやる気が向上するのかを確かめた実験。 "誰でも神プレイできるジャンプアクションゲーム"を採用。質問票は恐らく独自のもの。事前・事後の質問票は実質的に同等の内…

{132}遠藤 雅伸, 三上 浩司, (2020)

継続したゲームプレイからの離脱要因を調査したもの。 離脱したゲームタイトルとその離脱理由を自由回答、離脱理由文を解析し頻出ワードをタグ付け、有効回答数1553件。抽出した64要素を記載した質問票を作成、その理由により離脱経験があるものにチェックを…

{118}Przybylski, A. K., et al. (2014)

ゲームプレイによる短期的攻撃性の発現と心理的欲求の関係について実験・調査したもの。 「はいクソー。二度とやらんわこんなクソゲー」を真面目に取り扱った研究。正確に言えば、今まで暴力的描写により起こされていたとする攻撃性を、ゲームプレイによる欲…

{117}Schoenau-Fog, H. (2011)

プレイヤーのエンゲージメントがなにで構成されているかを探索する調査。 エンゲージメントとは特定の事象に関与していたい、影響を与えていたいとする継続的動機の傾向を指す。没入やフローに到達するための前提条件として定義されることもある。このエンゲ…