「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{142}Marc-André K. Lafrenière, et al. (2012)

SDTのOITを基準としたゲームプレイ動機尺度GAMSの作成。

 

オンライン調査、プレイヤー276名(男性193名 平均26.15歳 SD=8.26)。参加者は25以上の異なるゲームをプレイし、平均週12.38時間ゲームに従事した。

備考。自己申告制であること・サンプル数の少なさ・男女比・文化的多様性の少なさを考慮するべきである。

また、{57}との類似性を調査するといいだろう。GAMSとMOGQ、また動機によるゲーム選好、ゲームプレイ傾向、IGDなどの問題行動へのパスを探るのも面白そう。これが出来ればゲームプレイの動機付けをSDT軸に整理することができ、SDTのマクロすぎて端折られてしまうミクロ要素を抽出することもできる。

 

尺度を記載。6つの動機付けと18の下位尺度からなる。

・内発的動機付け

プレイが刺激的で楽しいものだから。

ゲームの新要素やゲームだからこそ楽しめるものを欲しているから。

クリア時の達成感を感じるため。

・統合的調整

ゲームプレイは私の延長線上にある。

ゲームプレイは私の血肉となる(私にとって重要なものである)。

そのゲームは私の個人的な価値観と一致しているから。

・同一化的調整

ゲームプレイは自分の能力を高めるのにいい方法だから。

社会的・知的能力を身につけるのにいい方法だから。

ゲームプレイは私にとって利があるから。

・取入れ的調整

定期的にプレイしなきゃいけないと感じているから。

プレイしていい気分になりたいから。

プレイしないと罪悪感を感じてしまうから。

・外的調整

強力なアイテム、大量のポイント獲得するため、または隠し要素や上位コンテンツをアンロックするため。

強いプレイヤーとして名を残したいため。

実績の獲得、キャラのレベルや経験値を獲得するため。

・非意欲

なぜこれをプレイしているのかを自分に問いかけることがある。

以前はプレイ理由があったが、今はそれを見失っている。

よくわからない。ただただ時間を浪費しているだけのように思える。

 

 

参考文献

Marc-André K. Lafrenière, Jérémie Verner-Filion, Robert J. Vallerand. Development and validation of the Gaming Motivation Scale (GAMS),
Personality and Individual Differences. Volume 53, Issue 7, 2012, Pages 827-831, ISSN 0191-8869, https://doi.org/10.1016/j.paid.2012.06.013.