「ゲーム心理学」知見保管庫

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{159}Johannes Niklas, Vuorre Matti and Przybylski Andrew K. (2021)

客観的なプレイ時間と主観的幸福の関係を調査したもの。

 

Plants vs. Zombies: Battle for Neighborvilleプレイヤー518人(男性404人)とAnimal Crossing: New Horizons(あつ森)プレイヤー6011人(男性3124人)のデータを有効回答として使用。オンラインアンケート、回答者全員がインフォームドコンセントを受け、いつでも離脱でき、傘下に対する報酬は受け取らなかった。

尺度。幸福感の感情的次元(SPANE)、プレイヤーの欲求充足尺度(PENS [102])、主観的/客観的なプレイ時間を集計。客観的なプレイ時間を集計するためにEAと米任天堂に協力を仰いだ、どちらも調査前2週間のプレイ時間を集計した。

分析前に、外れ値を除外した。PvZの1つの客観的プレイ時間、あつ森の40の主観的、12の客観的プレイ時間を除外。

 

結果。参加者は平均してプレイ時間を過大評価しており、主観的と客観的なプレイ時間は正の相関を持った。過大評価の値は0.5~1.6時間ほど。

主観的なプレイ時間は主観的幸福を有意に予測せず、客観的なプレイ時間はわずかに正の相関を示した。プレイ時間による効果は欲求充足により媒介されなかった。欲求充足と内発的動機付けは主観的幸福を正に予測し、外発的動機付けは負に予測した

 

プレイ時間が幸福感とわずかな相関しか持たないという結果は、IGDの重症度がプレイ時間に依存しないという結果と類似している。

また、プレイの幸福感とIGDどちらにおいても欲求充足が有意な指標として機能する[74]。プレイの幸福感は欲求充足により予測され[105]、日々の欲求不満が有害なプレイ動機を介してIGDを予測する[137][115][60]。

ゲームのプレイ動機はダイナミックに変動するとされる[151]ため、この指標を用いた縦断的分析が求められる。

 

 

 

参考文献

Johannes Niklas, Vuorre Matti and Przybylski Andrew K. 2021 Video game play is positively correlated with well-beingR. Soc. open sci.8202049202049