「ゲーム心理学」知見保管庫

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{35}Dindar & Akbulut 2014

MMORPGのトルコプレイヤーの動機傾向、Yee(2007)の追試的機能も持つ。

 

トルコのMMORPG2社に協力依頼、プレイヤーである307名(女性2.1% 平均19.36歳)が最終サンプルとなった。回答期間は2週間、自己申告式。

尺度。Yee(2007)の動機付け尺度、トルコ語翻訳し用いた。

 

結果。トルコ人プレイヤーにとっての動機づけ指標の妥当性は確保されていた。因子間の相関を下記図に記載、すべてのパスがp<.05であった。

トルコ人プレイヤーの考察。男女比により性差は分析できない。週平均プレイ時間は他の文献のサンプルと有意差はない(27.07時間)。参加者の平均年齢は参考文献(Williams et al. 2008)よりも有意に若い。また、当サンプルはチームワーク動機の得点が低かった、これは議論の対象である。

プレイ時間は動機を予測しないが、年齢はプレイ時間と正の有意な相関を持った。また、労働者のほうが非労働者よりもMMORPGの週当たりプレイ時間が長かった(35.16 vs 24.58)。動機に関して、非労働者のほうがロールプレイ動機を採択するという傾向が唯一有意であった。

また、年齢と達成動機・教育レベルと達成動機・年齢とロールプレイ動機・教育レベルとロールプレイ動機がそれぞれ小さいが有意に負の相関を持っていた。

 

没入動機はIGDを予測し(Stéphanie Laconi et al. 2017)、没入動機は逃避動機と相関し、逃避動機は問題行動の一番の予測因子である(irály O, Urbán R, et al. 2015)。また没入動機は年齢が低く、非労働者あるいは低教育であることと相関を持つ。

これ絶対、日々の生活で満たされてない(Johannes Niklas, Vuorre Matti et al. 2021)からゲームに入り浸っている経路の示唆じゃん。

また達成動機と低教育の関係も探るべき。

 

 

参考文献

Muhterem Dindar and Yavuz Akbulut. 2014. Motivational characteristics of Turkish MMORPG players. Comput. Hum. Behav. 33 (April, 2014), 119–125. https://doi.org/10.1016/j.chb.2014.01.016