「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{162}Gustavo F. Tondello, Rina R. et al. (2016)

プレイヤータイプと性格特性の関係性を調査したもの。

 

プレイヤータイプはHexadモデルを採用。player, Free Spirit, Achiever,  Disruptor, Phillanthropist, socialiserの6タイプ。

Phillanthropistは目的意識に突き動かされ、利他的であり、見返りをもとまない。socialiserは関係性に動機づけされ、社会的なつながりを持ちたがる。Free Spiritは自律性に動機づけされ、創造と探索を好む。Achieverは有能感に動機づけられ、難題を達成することで得られる達成感を重視する。playerは外発的動機付けに則り、報酬獲得などに精を出す。Disruptorは変化を引き起こすことが動機であり、システムを破壊し否定肯定問わず変化を強いる。

 

手続きは、Hexadモデルの調査尺度の妥当性確保のための調整と、6つのプレイヤータイプとビッグファイブの関連性の追求を目的に行われる。

カナダの大学生を対象に、人口統計学的情報・Hexadモデル尺度30項目7段階・ゲーム要素の好み32種・性格特性BIDR-6とBFI-10を訪ねた。133名(平均23.5歳 女性64名)が参加した。

 

結果。Hexadモデルの尺度は信頼性と因子負荷が低い項目を排除し、最終的に24項目が残った。24項目の尺度はPlayerタイプを除き高い信頼性を確保した。

Free Spirit・Achieverと自己欺瞞強化項目、Disruptorと印象管理項目に弱いが有意な相関がみられた、後者は負の相関。これらの項目により、前者は過大評価、後者は過小評価されている可能性がある。

Phillanthropistとsocialiser、 Free SpiritとDisruptor、playerとAchieverの間に有意な正の相関がみられた。PhillanthropistとFree Spirit、Free SpiritとAchiever、playerとFree Spiritの間にも同等の相関がみられた。

 

性格特性との関係性について。Achieverは誠実性と正の相関を持ったが、攻撃性とは相関を持たなかった。Free Spiritは開放性と正の相関を持った。playerは外向性と神経症傾向と関連があると仮説だてられたが、実際は有意な相関を持たなかった。PhillanthropistとSocialiserは外向性と正の相関を持った。Free SpiritとDisruptorは神経症傾向と負の相関を持った。

 

 

 

参考文献

Gustavo F. Tondello, Rina R. Wehbe, Lisa Diamond, Marc Busch, Andrzej Marczewski, and Lennart E. Nacke. 2016. The Gamification User Types Hexad Scale. In Proceedings of the 2016 Annual Symposium on Computer-Human Interaction in Play (CHI PLAY '16). Association for Computing Machinery, New York, NY, USA, 229–243. https://doi.org/10.1145/2967934.2968082