「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{165}Juho Hamari, Jonna Koivisto. (2015)

ゲーミフィケーションの使用動機と継続動機について調査したもの。

 

仮説群。図1に記載。使いやすさなどの認知的要因、楽しさなどの感情的要因、コネクションなど社会的要因が、それぞれ使用態度と使用意図に関係しているとした。

 

手続き。運動をゲーム化したオンラインサービス"Fitocracy"のユーザーを対象。オンラインアンケート、報酬はアマゾンギフトの抽選券。参加者の人口統計学的要素とプレイ状況は表1参照。使用した尺度は表2参照。

収束的妥当性を平均分散抽出・複合信頼性・クロンバックのαで算出した。3つのテストは判別妥当性と信頼性が許容範囲内であることを示した。

 

結果。図2を参照。認知要因の有用性と社会的要因はアプリへの態度を正に予測し、認知要因の使いやすさと感情要因の楽しさは使用意図を直接予測した。また、アプリへの態度はアプリ使用意図を正に予測した。

以上より、アプリの使用意図を直接予測するのは「使いやすい」と「使ってて楽しい」の2つであることが示唆された。社会的要素が使用意図に直接関与しないのは、CET基準の自発的な行動に関して関係性があまり寄与しないことに由来していると考えられる。

今まで調べてきた心理的欲求の充足を促す構造と、技術受容モデルの組み合わせが効果的か。

 

 

 

参考文献

Juho Hamari, Jonna Koivisto. Why do people use gamification services?. International Journal of Information Management, Volume 35, Issue 4, 2015, Pages 419-431, ISSN 0268-4012, https://doi.org/10.1016/j.ijinfomgt.2015.04.006.