「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

1:理論

{76}Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000).

自己決定理論の概論の1つ。 認知的評価理論、有機統合理論、基本的心理欲求理論、目標内容理論について触れている。 以下、筆者が作成した自己決定理論の6つのミニ理論に関する概要。 SDTは「人間は知的好奇心旺盛で、主体的であり、自己の統合を目指すべく…

{75}Sebastian Deterding. (2011)

SDTに基づいた、ビデオゲームプレイの動機付けモデルの提供。 ゲームプレイの動機は内発的動機付けで、特に自律性充足が主軸となる。CETに則り、ゲームプレイの文脈(環境)は動機付けに顕著な側面をもたらす。ゆえに、ゲームプレイにより起こる動機付け、喉か…

{66}Deci, Vansteenkiste, et al. (2017)

子の養育について親が心がけるべきことを動機付け、特に自己決定理論の観点から理論的に考察したもの。なおここで問われていることは養育に限らず教育・対人において有効である。 結論としては、子を1人の人間として順当に接することで大部分は満たされる。…

{65}Deci and Ryan (2022)

[76]とかDeci and Ryan (2017)の要約版。 GCT目標内容理論。特に、行動の目的の内容によって心理的欲求の充足の度合いが異なることを主張する。自己研鑽や受容など心理的欲求の直接的な充足を目的とする内発的人生目標と、地位や名誉など心理的欲求の直接的…

{64}Deci and Ryan. (2002)

自己決定理論の基礎情報。 認知的評価理論・有機的統合理論・因果性志向理論・基本的心理的欲求理論について述べられている。 参考文献 Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2002). Overview of self-determination theory: An organismic-dialectical perspective.…

{60}Matthias Brand et al. (2016)

I-PACEモデル。特定のインターネット利用障害に関するモデルの改訂版。 素因変数ー情動・認知ー実行・抑制ー結果の4段階で考える。 根幹の原因として、遺伝要因や虐待等の経験、うつ病などの精神疾患、個人の嗜好が挙げられる。初期はネット利用による短絡的…

{56}Bakkes, S.; Tan, C.T.; Pisan, Y. (2012)

Personalized Gamingと呼称される、ゲーム側がプレイヤーの特性に応じてその内容を逐次変化させる使用について、その概要と動機、またゲームのどの部分にこの仕様を適応させるかについて議論している。 著者は、この仕様によりプレイヤーの性格や特性などを…

{45}Scott Nicholson (2014)

より良いゲーミフィケーションのための理論的考察。 「ゲームとは、目標や構造を持った遊びの一形態」(Maroney 2011)。目標の達成にはその基準を設ける必要があり、またルールを設ける必要がある。そしてこれらの設定は遊ぶ人みずからが定める必要がある。遊…

{49}Richard M. Ryan, Edward L. Deci. (2020)

自己決定理論の概論(Deci and Ryan 2002)書いてから20年弱経ったし、ここらで一回関連研究をおさらいしてみる。→読み返し推奨 内発的動機付けは学習へのエンゲージメントを介しGPAに影響を与えている(Froiland and Worrel 2016)。 SDTは動機付けの重複を認識…

{51}Richard M. Ryan, Edward L. Deci. (2006)

SDTのうち、意思決定の権限、または意思決定のための情報を要求する欲求である自律性に関する議論点とそれに対する反論をまとめた論文である。読み返し推奨。というかいまいち把握しきれてない。 自律性の存在証明。因果関係、病理的証拠、神経的メカニクス…

{42}Dajung Diane Shin & Sung-il Kim. 2019

知的好奇心は不確実性への対処として働く。未知のものはなにをしてくるかがわからない、命を脅かすかもしれない、だから知ろうとする。この時に得た情報は報酬として機能する、不確実性を解消する道具的利益として。 知的好奇心は食欲と相似点あり→報酬を受…

{41}Kou Murayama, Lily FitzGibbon & Michiko Sakaki. 2019

俗にいう知的好奇心(特殊的探索)を、自律的な知識獲得プロセスのための報酬学習フレームワークとして解釈、これを提示する。 知識の獲得が報酬としてはたらき、「獲得できる知識がどれだけのものか、楽しみ」という期待が探索の要因であると仮定。知識のギャ…

{39}Jan Hense PhD & Heinz Mandl PhD. 2014

本論文は、デジタルゲームにおける学習を学習理論・感情理論・動機付け理論の3つの理論的観点から分析。それをもとに、ゲームベースラーニング(GBL)の品質基準として理論的な裏付けを行ったリストを作成している。 1:遊びの要素をおろそかにせず、ゲームの学…

{38}要約:Deci and Ryan. 2000

動機付けに関する心理学について、2つの理論が欲求という概念を採用した。生理的欲求のうち組織の欠乏をもたらすものが動機付けとなる動因低減説と、後天的な心理的欲求が動機付けとなる欲求理論(murray needs theory)だ。これに対し、自己決定理論(SDT)は欲…

{37}要約:Maarten Vansteenkiste, Richard M. Ryan 2020

本論文は5つのテーマを主に議論を展開する。SDTの心理的欲求の拡張の可能性について、欲求不満と不適応について、心理的欲求と身体的欲求の相互作用について、欲求支援と欲求妨害の実践について、SDTモデルの普遍性について。 SDTの心理的欲求の拡張の可能性…

{6}Chris Perryer,Nicole Amanda Celestine, et al. 2016

この論文は、ゲーミフィケーションによる生産性向上についての知見を整理し、利用の最適化を試みるものである。 ゲームは明確な実用的目的がないにもかかわらず、強力な内発的動機付けを促進させる。自己決定理論や目標達成理論などの動機付けの理論はそうし…

{8}Jonna Koivisto and Juho Hamari. 2019

この研究の目的は、ゲーミフィケーションの概念に関する現存の文献を包括的にレビューし、情報システム研究分野におけるゲーミフィケーションと動機付け情報システムにおける研究課題を理論化することにある。 また、ゲーミフィケーションを対象とした包括的…

{64}Deci and Ryan (2002) 【旧】

自己決定理論とは、人間の能動的で統合的という生得的な性質と、生得的な性質を促したり妨げたりする環境変数との間の相互作用を主な議題とする、弁証法的な理論体系である。 自己決定理論は3つの基本的な心理的欲求を定めている。この心理的欲求は生得的な…