「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{186}Anderias Henukh, et al. 2020

Google classroomを用いたマルチメディアラーニングの感想。

 

Google classroomができることを論文より抽出。オンライン授業による対話、文章・エクセル・パワーポイント・PDF・シミュレーションソフト・ビデオファイルなどが共有可能、Googleアカウントがあればいつでもどこでも利用可能(ただしクラスルームの作成には学校が専用アカウントを作成する必要がある)。

操作のためのチュートリアルを設ければ十分に操作可能。

Googleアカウント1つあればオンライン授業に必要な要素とソフトがすべて扱えるという、利便性においてかなり優位に立てるもの。またGoogleはUIの精度も必要十分。

ただし、Google classroomだから好成績が望めるのではなく、通信制授業にかみ合う、認知負荷理論等を考慮した教材をclassroomを介して共有することで初めて効力が発揮される。

通信制はいつでもどこでも授業可能だが、学習の大部分を自律性にゆだねるというリスクと、情報漏洩のリスクが考えられる。通信制に通う学生は自律性が高くなるのではなく、自律性が高い人が通信制を正当に続けられる。

認知負荷理論はマルチメディアラーニングを行うために現状最もマシな理論。外的負荷をかけず、内的負荷を高め、生得的負荷の余地を増やすような設計でない限り、配布された教材は従来の教材と大差ない退屈さを発生させる。

対話ができるという利点も、欠かしてはならない。これは動機づけの関係性などに由来する。

 

実施された研究では教材の詳細は語られてないが、ビデオ・PDFなどからなる教材の共有、明確な目標の表示、生徒と教員の相互作用などが強調されている。事前と事後のテスト成績で有意な差が発生したとしている。Google Classroomの大きな利点として「紙の節約」、つまりコスト削減を唱えている。

まれにこの環境に適応しない生徒、例えば、通信環境や機材が整っていないなどの問題を抱えた人がいるが、その子への対処を怠らなければ、おおむね良好な値を示すとしている。

 

 

参考文献

Anderias Henukh, Haris Rosdianto, Sayaka Oikawa. (2020) IMPLEMENTATION OF GOOGLE CLASSROOM AS MULTIMEDIA LEARNING. Jurnal Ilmu Pendidikan Fisika, Vol. 5 No. 1, Page 38-44