「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{185}M Saidun Anwar, et al. 2019

iSpring Presenterを利用した数学マルチメディア学習教材を開発したもの。

 

研究手法にはADDIEモデル (Analysis of Design Development Implementation and Evaluation) (Sugiyono, 2015)を用いた。問題を分析し、教材を設計、開発し、実装、その時々で評価を行うというものである。

研究では数学の授業に対する生徒の意欲のなさを問題として取り上げ、またその原因の一端に教材の退屈さがあると仮説だてる。

設計。フローチャートによる進捗の表示、iSpring Presenterを用いた相互作用的な教材。また導入部の作成、背景やナビゲーションの決定、UI作成、練習用の問題作成など、設計に則り細部を決めながら。

開発。開発のためのツールの決定、実際の開発、開発から得られたフィードバックをもとに修正、の3段階。以下、修正項目。

1:フォントサイズの表示比率のため上下の空白が大きく、行間スペースもないため読みづらい。表示比率の変更で対処。

2:問題文と選択肢は時間経過により表示され、回答のための時間がより多く消費される。問題文と選択肢を同時に表示し、時間経過によるものを排除した。

3:低品質で粗い画像を高品質画像に差し替え。

4:教材に合わせたBGMのテンポ調整、中テンポかつエネルギッシュ。これはUIや全体のデザインの影響を鑑みての変更が好ましい。

5:例題などの記載がなく、短く、明確な表記を用いない問題について。KnowとAskedという説明で問題文をあやふやにしない。

6:角度関係の問題では、教材に表記のないバックグラウンドでの計算が伴う。これの解決には、もともと表記のなかった計算に対しての問題と選択肢が追加された。

7:三角関数の各グラフにおける材料の一般的な形式情報の説明をなくす。重複表現や間接的にかかわるが詳細な定義を必要としない情報のカットを意味している。

これらの手順を踏まえ作成された教材は、教員生徒ともに高い評価を得ることができ、また暴露前より有意に優位な点数を獲得できた。

 

1:と3:は視認性の確保。2:は処理遅延の削減。4:と7:は外的負荷の削減。5:はGCLへの割り当て増加。6:は内的負荷への割り当て。それぞれがこのように該当すると推測。

 

 

参考文献

M Saidun Anwar, Choirudin Choirudin, Eka Fitria Ningsih, Triana Dewi, Andino Maseleno. (2019) Developing an Interactive Mathematics Multimedia Learning Based on Ispring Presenter in Increasing Students’ Interest in Learning Mathematics. Al-Jabar : Jurnal Pendidikan Matematika Vol 10, No 1