「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{181}Anmarkrud et al. (2019)

認知負荷理論に対する批評とレビュー。

 

認知負荷理論は、特にワーキングメモリと認知負荷の測定方法に関して批評の的となってきた。このレビューは、そうした懸念がいまだに健在であることを実証している。

レビュー対象の大半はワーキングメモリの測定を含んでおらず、また認知負荷理論の中核をなす概念の具体的な定義を行っていない。また、認知負荷の主観的尺度は非常に少ない項目、心理測定値の欠如、他の指標との組み合わせの欠如、一貫性のない運用、認知負荷の測定に使用した手順の明確な説明の欠如がみられた。

客観的な認知負荷の測定法を開発し、主観的な測定法の埋め合わせを計る研究もある(Korbach, Brünken, & Park, 2018; Korbach et al, 2017; Park & Brünken, 2015)が、数は限られている。

理論や主張にあまり異存はないが、それを主張するには証拠がちょっと不十分じゃないのか? という問いかけと実証を指している。

 

 

参考文献

Anmarkrud, Ø., Andresen, A., & Bråten, I. (2019). Cognitive load and working memory in multimedia learning: Conceptual and measurement issues. Educational Psychologist, 54(2), 61–83. https://doi.org/10.1080/00461520.2018.1554484