「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{183}Koć-Januchta, et al. 2019

視覚条件×言語条件の効力について実験したもの。

 

学生197名(女性74.1% 平均21.6歳)対象。成績について性差は見られなかった。すべての参加者が自発的に参加し、金銭報酬を受け取った。アニメーション/静止画×ナレーション/説明文の4条件比較。10分教材に2回暴露させ、事後に教材に関する20の質問により成績評価。アニメーション教材はノンインタラクション、つまり再生バーを操作することはできなかった。

視覚・言語認知スタイルの測定に、IDQ (Paivio & Harshman, 1983)とVVQ (Richardson, 1977)の2つを新しい質問票の基礎として新しい質問票を作った。資格因子と言語因子の2つの因子、クロンバックのαは基準を満たす値。また予備知識についても質問。

認知スタイルについて。Paivio (1986)によれば、言語チャンネルで学ぶのを好む人と、視覚チャンネルで学ぶのを好む人がいる。転じて、情報を整理・処理する個人の方法を視覚・言語の認知スタイルと定義。

 

結果。視覚認知スタイルが高い人は静止画成績がアニメーション成績を上回らなかったが、認知スタイルが低い人は上回る現象が発生した。これは高い認知スタイルがより悪い視覚条件の補填として機能していると考察された。

全体として、書かれたテキストで学習した場合よりも話し言葉で学習した場合のほうがより良い学習成績を残した。アニメーション×説明文条件は、視覚情報の過負荷が発生する、これは今回の実験においても有意な負の相関として現れた。

 

 

参考文献

Koć-Januchta, MM, Höffler, TN, Eckhardt, M, Leutner, D. Does modality play a role? Visual-verbal cognitive style and multimedia learning. J Comput Assist Learn. 2019; 35: 747–757. https://doi.org/10.1111/jcal.12381