{104}Lennart E. Nacke, Sebastian Deterding. (2017)
ゲーミフィケーション分野の成熟をレビューしたもの。
限界事項をピックアップ。
ゲーミフィケーション分野はポイント・バッジ・リーダーボードを題材とした研究が非常に多く、また短期的な研究が目立つ。リンゴとオレンジの比較も求められる。
提供されたゲーミフィケーションの質と生成物の質との関係を議論する研究が乏しいことを指摘。導入「しているか/していないか」の比較は広範囲にわたって行われ、そこの知見は積み重なってきてはいるが、「どれぐらい」導入した時に「どうなるか」を検討した研究は少ないという。
ゲーミフィケーションを用いることで得られる一般的な効果については傾向がつかめているが、ゲーミフィケーションのどの要素が、どういった人に、どれぐらい刺さっているかを検討した研究は少ないという。特に教育機関で施行するときは、ゲーミフィケーションを課すことになる。どういった人がそれに真面目に取り合い(つまり相性の良さ)、どういった人が課題の回避を行うか(つまり相性の悪さ)を実験・観察する必要がある。これを踏まえなければ、従来の教育と同じ轍を踏むことになる。
参考文献
Lennart E. Nacke, Sebastian Deterding. The maturing of gamification research. Computers in Human Behavior, Volume 71, 2017, Pages 450-454,