「ゲーム心理学」知見保管庫

「ゲーム心理学」の参考文献等を投稿します。

{58}Halley M. Pontes. (2017)

SNS依存症とインターネットゲーム障害(IGD)に正の相関。またSNS依存症は人口統計学的要素に有意な関係は見られなかったが、IGDには見られ、男性かつ若年層と正の相関。週平均プレイ時間とIGDは正の相関がみられたが、週平均閲覧時間とSNS依存症には有意な関係がみられなかった、これは依存を示していない人も一定時間利用しているからだと推測される。両方がもたらす精神医学的苦痛(ストレス・うつ)に大きな差異は見られなかった。

→IGDの診断指標が病的賭博・物質主義・一般的なインターネット中毒などの既存の臨床基準に由来するものといった主張からも察せるが、SNS依存症やIGDはあくまで二次障害であり、根幹となる疾患があり、その表出がSNSだったりIGDだったりする。現実からの逃避を動機としたゲームプレイはIGDに繋がりやすいが、それはゲームに原因があるのではなく、逃避したいほど悲惨な現実があるからであり、例えゲームを断ったとしても別の代替欲求を求めるだけである。対処すべきはSNSやゲームではなく、それを”悪用”する現実にある。

→「SNS依存症やIGDはあくまで二次障害であり、根幹となる疾患があり、その表出がSNSだったりIGDだったりする」って上記で書いたけど、この研究結果だけだとパス作れないからこの主張できないね。注意。

サンプルがポルトガルの中学生n=509、かつ自己申告式のため、一般化には注意。

 

 

参考文献

Halley M. Pontes. (2017) Investigating the differential effects of social networking site addiction and Internet gaming disorder on psychological health. Journal of Behavioral Addictions. Volume 6: Issue 4 Pages 601–610